介護職に就く人が副業をしているというケースは珍しくありません。介護の仕事はハードなのに、なぜ副業を必要とするのでしょうか。一番多い理由は「介護職での収入を補うため」です。厚生労働省が発表した令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、常勤者で平均基本給が187,180円という結果が出ています。これに資格職手当や一時金などがついて月額給与の平均が316,610円です。地域や介護事業所の規模によって、資格職手当や一時金の面で大きく差がつくことも予想されます。
もし家族を養う立場にある場合、平均基本給が187,180円となると、資格職手当などが望めない場合どこかで補う必要性が生じます。結果的に副業を行わざるを得ないという状況になるでしょう。また、配偶者の扶養範囲内で働きたいが、それでも収入がわずかに足りないというケースも見られます。扶養範囲内というと月額88,000円の給与を超えない範囲での働き方が求められます。扶養家族を外れてしまうと、社会保険に加入する必要が生じます。社会保険料の給与控除が大きいため、パートタイムでは働き損になってしまうと言った背景も副業を行う理由となりえます。
また、レアなケースですが「高齢者との関わりとは無関係な場所に身を置きたい」など、自分自身のバランスを保つために副業を行っていることもあります。収入面での理由が大きいようですが、介護職が副業に携わるケースはさまざまです。